Sulforaphane LAB

スルフォラファンについて

ABOUT SULFORAPHANE

スルフォラファンとは

スルフォラファンは、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜に含まれるファイトケミカルの一種です。身体に備わる生体防御機能に働きかけることで解毒力や抗酸化力を高め、健康維持に対してさまざまな効果を示すことが報告されています。

構造式
名称 Sulforaphane、または1-isothiocyanato-4-(methylsulfinyl)- butane
化学式 C6H11NOS2
分子量 177.29
スルフォラファン研究の「父」

スルフォラファンは、1997年にジョンズ・ホプキンス大学ポール・タラレー博士らの研究チームによって、がん予防効果が報告されたことで注目を集めました。
(詳細)スルフォラファン研究の歩み:スルフォラファン研究のはじまり

ポール・タラレー博士

スルフォラファンを含む野菜

スルフォラファンは、アブラナ科野菜の中でも特にブロッコリーに多く含まれます。

アブラナ科野菜5種のスルフォラファングルコシノレート(SGS)含有量の比較。
ブロッコリーは50品種、芽キャベツは4品種、キャベツは6品種、カリフラワーは3品種、ケールは2品種の平均値(n=3)。
出典:Jeffery H., Journal of Agricultural and Food Chemistry.Vol.47,1999,pp1541-1548

ブロッコリーのブランドによって含有量に差

グラフは、一般に販売されているブロッコリーのキノンレダクターゼ誘導活性を比較したものです。キノンレダクターゼは、スルフォラファン濃度に依存して生成されるため、スルフォラファン量の指標とされています。
スルフォラファンはブロッコリーに多く含まれますが、その含有量はブロッコリーのブランドによって大きく異なりました。

ブロッコリーのキノンレダクターゼ誘導活性の比較。スーパーマーケットで売られている冷凍ブロッコリー7ブランドと生鮮ブロッコリー22ブランド(n=4)。
出典:Talalay P., Proceedings of American Philosophical Society.Vol.143,No.1,1999,pp52-72

生育日数が短いものほど高濃度

スルフォラファンは、ブロッコリーの生育日数によっても含有量に違いがあることが報告されています。グラフは、ブロッコリーの生育日数によるキノンレダクターゼ誘導活性の変化を示したものです。スルフォラファンは、生育日数の短いスプラウトの状態で濃度が高いことを示しています。

キノンレダクターゼ誘導活性の生育日数による変化。生育日数の延長に伴い、生鮮重量が増加するほど、キノンレダクターゼ誘導活性が低下(n=20)。
出典:Talalay P.,Proceedings of American Philosophical Society.Vol.143,No.1,1999,pp52-72

スルフォラファンが身体に及ぼす生理作用

スルフォラファンは、ヒトの身体にさまざまな作用を及ぼすことが報告されています。

抗酸化作用

スルフォラファンを摂取すると、体内でSODカタラーゼペルオキシダーゼといった抗酸化酵素が誘導され、抗酸化力が高まります。

解毒作用

スルフォラファンを摂取すると、GSTNAD(P)H キノン還元酵素といった体内の解毒代謝に関わる酵素や、解毒代謝で重要な働きを示すグルタチオンが誘導され、解毒力が高まります。

抗炎症作用

スルフォラファンは、免疫細胞から分泌されるサイトカインの分泌を制御し、がんや糖尿病などの原因となる、慢性的な炎症を抑制します。

抗ピロリ菌作用

スルフォラファンは、胃がんや胃潰瘍の発生因子といわれるピロリ菌の増殖に対して抑制効果を示します。

アポトーシス(細胞死)の促進作用

スルフォラファンは、アポトーシス誘発因子(Bax)を誘導し、抗アポトーシス因子(bcl-2)の発現を抑制することで、がん細胞のアポトーシスを促進します。

スルフォラファンの有効性

スルフォラファンは、がんをはじめとしたさまざまな生活習慣病に対する予防効果が研究されています。以下は、臨床試験でスルフォラファンの有効性が報告されている研究テーマです。

臨床試験済みの研究テーマ

出典:Chemoprotection Center WEBサイト(2016年3月現在)

スルフォラファンの作用メカニズム

スルフォラファンは、発がん物質の解毒や活性酸素の消去(抗酸化)に関わる、100種類以上の「酵素」の生成を促すことで、身体にさまざまな作用を示します。
(詳細)スルフォラファン研究の歩み:スルフォラファンの作用メカニズムの解明

酵素名分類
NAD(P)H キノン還元酵素解毒代謝酵素
グルタチオンS-転移酵素(GST)解毒代謝酵素
UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)解毒代謝酵素
グルタミルシステイン合成酵素(GCL)抗酸化酵素
グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)抗酸化酵素
ペルオキシレドキシン(PRX)抗酸化酵素
ヘム酸素添加酵素(HO-1)抗酸化酵素

スルフォラファンが生成を促す酵素の一例

スルフォラファンの吸収率を高める摂食方法

前駆体SGSからスルフォラファンが生成されるプロセス

スルフォラファンは、植物細胞内では前駆体のスルフォラファングルコシノレート(SGS)として存在します。噛んだり刻んだりすることで植物細胞が壊れると、同じ植物の別の細胞に含まれていたミロシナーゼという酵素と反応し、SGSがスルフォラファンに変化します。

SGSのスルフォラファンへの変換

ブロッコリースプラウトは「生」で「すりつぶす」

スルフォラファンは、前駆体のSGSのままで摂取する場合と、SGSをスルフォラファンに変換してから摂取する場合で、体内への吸収率が大きく異なります。
下は、ブロッコリースプラウトの摂食方法による、スルフォラファンの吸収率の違いを示したグラフです。ブロッコリースプラウトを、①加熱後、②生で噛まずに、③生でよく噛んで、④生ですりつぶして の4条件で摂食した結果、スルフォラファンの吸収率は①②③④の順で高くなり、①と④では約7倍の違いが示されました。
ブロッコリースプラウトからスルフォラファンを効率的に摂取するには、ミロシナーゼが働く「生」の状態で、よく噛むもしくはすりつぶすなどして「細胞を壊す」ことが有効と考えられます。

110 μmolのSGSを含むブロッコリースプラウトを、①加熱後、②生で噛まずに飲み込んで、③生でよく噛んで、④生ですりつぶして の4つの条件で摂取した時の尿中の代謝物(メルカプツール酸代謝物)の量。①はミロシナーゼを熱で失活しSGSの状態で摂取した場合。②③④はSGSがミロシナーゼと反応し、スルフォラファンに変換された状態。①②③④の順でスルフォラファンの変換率が高くなっていると考えられる。(n=11)
出典:Talalay P., Cancer Epidemiology Biomarkers & Prevention.Vol.10,2001,pp501-508